雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。

おまけ

「夏希……」
「んー、なに、進藤?」

 身体を重ねた後、とろりベッドで蕩けていると、進藤が背中を撫でながら私の名前を呼ぶ。
 その手の心地よさに目を細め、視線を上げた。

「なあ、いつまで進藤なんだ?」
「ん? 進藤は進藤でしょ?」

 言ってる意味がわからず、首を傾げる。

「お前、俺の名前、覚えてないだろ」
「覚えてるよ。巧でしょ!」
「おっ、知ってたんだ」
「当然でしょ」
「でも、恥ずかしくて下の名前なんて呼べないんだろ? それに夏希は不器用だから、公私で使い分けなんてできないんだろうなぁ」

 なに〜! バカにするな!
 その勝負、受けて立つ!

「呼べるわよ! 巧! 今日からあんたは巧よ! 会社ではちゃんと進藤って呼ぶからね!」

 進ど……巧が笑う。
 うっかりときめく。
 最近気づいたけど、私はこのわんこな笑顔に弱い。

「夏希」
「なによ、巧」
「なんでもない。ただ好きだと思っただけ」
「〜〜〜〜〜っ」

 顔を伏せ、赤くなった顔を隠した私の耳に、巧がキスをした。
< 95 / 95 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:27

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

魅了たれ流しの聖女は、ワンコな従者と添い遂げたい。

総文字数/84,899

ファンタジー79ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
男の人がやたらと寄ってくる体質の私。 どうして、王太子様や側近の方まで 寄ってくるの〜?? 私はカイルと結婚したいだけなのに!!! 乙女ゲームのような世界で テンションは高いが表情筋は死んでる犬獣人カイル ✕ 聖女アイリのすれ違いラブコメ
かりそめ婚のはずなのに、旦那様が甘すぎて困ります ~せっかちな社長は、最短ルートで最愛を囲う~

総文字数/79,991

恋愛(純愛)52ページ

マカロン文庫新人コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
◇西原望晴◇ にしはらみはる 28歳 ブティック店員 パーソナル・カラーコーディネーターを夢見る 『はるや』の羊羹が超好きな甘党 甘いものへの情熱がいつもあふれ出る × ◆由井拓斗◆ ゆいたくと 31歳 IT企業社長 老舗和菓子メーカー『はるや』の御曹司 美形だけど、ファッションセンスなし、情緒なし 効率至上主義 「美味し〜い!こし餡の濃厚な甘みと柑橘系の甘酸っぱさが混ざり合って、なんて幸せなハーモニーなの!すごく合うわ!まろやかな舌触りで、甘みもぼってりと舌に残ることもない。さすが『はるや』さん!」 「君を元気づけるには、 やはり甘いものがあればいいようだな」 ただのお得意様だった拓斗と急に同居 そして、利害の一致で入籍することに。 便宜上の妻のはずなのに、やたらと甘くないですか?
運命には間に合いますか?

総文字数/29,663

恋愛(純愛)28ページ

ベリーズカフェラブストーリー大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
スペイン建築が大好きな設計士 大橋優那(おおはし ゆな) 28歳 × せっかちな空間デザイナー 守谷翔真(もりや しょうま) 33歳 優那はスペイン建築を学ぶという夢が実現するというときに、空間デザイナーの翔真と出会った。 せっかちな彼は出会って二日目で優那を口説いてくる。 翔真に惹かれながらも、スペインに行くことが決まっている優那はその気持ちに応えられないときっぱり告げた。 それでも、翔真はあきらめてくれない。 毎日のように熱く口説かれて、優那は――

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop