ハタチの夜に
小さいころによく遊んだ公園の前を通り過ぎた。
…ああ、もうすぐ家に着く。
久しぶりにふたりで家の近くを歩くの楽しかったな。
私の家より手前にある、シロの家の目の前に来たときだった。
「…なあ、もうすぐハタチになるから。
酒飲むのに付き合えよ」
となりを見ると、シロがまっすぐ私を見つめていた。
「ひなのほうが先にハタチになってるんだから、酒詳しいんだろ」
ひな。
その響きに心がざわつく。
そう呼んでくれるのは高校生以来だ。