極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「そうそう、雨が降ってきたみたいだからお子さん、早く迎えに行った方がいいわ。衛士も体調大丈夫かしら」
「え?」
衛士の体調が悪いなんて聞いていない。つい声をあげてしまった私に、亜由美さんは苦笑しつつ手を横に振る。
「あ、たいしたことじゃないの。彼ね、気圧の関係か、昔から天気が崩れる日は調子がいまいち優れないみたいで。おかげで雨の日はいつも不機嫌でしかめ面よ。雨が嫌いみたい」
気象病と呼ばれ、主に雨の日やその前に不調になる人を何人か知っている。まさか衛士がその体質だとは知らなかった。
『衛士は雨、嫌い?』
『雨が好きな人間なんているのか?』
思い返すと、たしかに衛士は雨が好きではなかったし、雨の日はどことなく機嫌もよくなかった気がする。
けれど私が言っていた雨の日だけに開いているカフェに付き合ってくれたし、新しい傘を差して雨の中をデートした記憶もある。
『私は好きだけどな』
私が、雨が好きだって言ったから?
あれこれ思い出し血の気が引いていく私を、亜由美さんは少しだけ憐れむような目で見つめてくる。
「衛士、あまり自分のことを話す性格じゃないから気を使ってあげてね。結婚願望ないし、朝食も取らず朝はコーヒー一杯で済ますのが普通だから体を壊すんじゃないかって、両親やラグエルの上層部は、幼馴染みで彼をよく理解している私と結婚させようかなんて話していた くらいだもの」
私は唇を噛みしめ、なにも返せなかった。
『父親同士が知り合いで家族ぐるみで付き合いのある幼馴染みと結婚させようなんて話もあったらしい』
違う。今はそこを突きつめる場合じゃない。
もしかして亜由美さんの言う通り、出会ったときから衛士はずっと無理をしているの? 私のせいで彼に嘘をつかせているの?
否定したくてもできず、思い返すと逆にしっくりくることが多すぎる。
軽く会釈し、私はその場から逃げるように駆け出した。
「え?」
衛士の体調が悪いなんて聞いていない。つい声をあげてしまった私に、亜由美さんは苦笑しつつ手を横に振る。
「あ、たいしたことじゃないの。彼ね、気圧の関係か、昔から天気が崩れる日は調子がいまいち優れないみたいで。おかげで雨の日はいつも不機嫌でしかめ面よ。雨が嫌いみたい」
気象病と呼ばれ、主に雨の日やその前に不調になる人を何人か知っている。まさか衛士がその体質だとは知らなかった。
『衛士は雨、嫌い?』
『雨が好きな人間なんているのか?』
思い返すと、たしかに衛士は雨が好きではなかったし、雨の日はどことなく機嫌もよくなかった気がする。
けれど私が言っていた雨の日だけに開いているカフェに付き合ってくれたし、新しい傘を差して雨の中をデートした記憶もある。
『私は好きだけどな』
私が、雨が好きだって言ったから?
あれこれ思い出し血の気が引いていく私を、亜由美さんは少しだけ憐れむような目で見つめてくる。
「衛士、あまり自分のことを話す性格じゃないから気を使ってあげてね。結婚願望ないし、朝食も取らず朝はコーヒー一杯で済ますのが普通だから体を壊すんじゃないかって、両親やラグエルの上層部は、幼馴染みで彼をよく理解している私と結婚させようかなんて話していた くらいだもの」
私は唇を噛みしめ、なにも返せなかった。
『父親同士が知り合いで家族ぐるみで付き合いのある幼馴染みと結婚させようなんて話もあったらしい』
違う。今はそこを突きつめる場合じゃない。
もしかして亜由美さんの言う通り、出会ったときから衛士はずっと無理をしているの? 私のせいで彼に嘘をつかせているの?
否定したくてもできず、思い返すと逆にしっくりくることが多すぎる。
軽く会釈し、私はその場から逃げるように駆け出した。