路地裏Blue Night.
「ボクの方が絶対に速いしっ!!それにチビ!!鹿野さんの役に立たなかったらすぐS.Roberを外れてもらうから!!」
「……」
なんかキューティクルで可愛いの来た。
一見すると女の子に見えなくはないけど、肩幅は結構ガッシリしてる。
たぶん颯ってこいつだ、絶対そうだ。
「ねぇ、50メートル何秒?どーせ熊みたいな名前してるから遅いくせに!」
「…6秒台です、けども」
熊みたいってなに。
苗字からそんなふうに取られたの、初めてすぎる。
「はっ、ボクなんて4秒台だもんね~」
「いやそんなわけ!!世界記録でも5秒だよ!?ありえないってそれは!!」
「うるさい!ブス!!」
「なぁぁにーー!?皐月の兄ちゃんにはかわいい顔してるって言われたしっ!バーカバーカ!!」
「なっ…!ボクの方が可愛いもんっ!!それに“皐月の兄ちゃん”だなんて馴れ馴れしく呼ぶなっ!!」
聞くところによれば、颯は私と同い歳らしい。
今までこの中で一番最年少で甘えてきたからか、誰よりも負けず嫌いなんだと。