路地裏Blue Night.




そんな幻想に生きてたのは俺だったんだよ、皐月。



「もうぼちぼちええか。なんやつまらんのぉ、ムツキは叫んでくれたから殺り甲斐があったっちゅーに」



睦月、睦月、ごめんな睦月。

おまえの仇を討ちたかったんだ。
俺なりにおまえの兄ちゃんになりたかった。

でも皐月とも不仲のまま死んでいく羽目なった。



「侑李、苦しいかァ?来世は女の子になりーや、そしたらワシが可愛がってやるわ」


「…はっ、きもちわりぃんだよ……、来世こそ…おまえを、ころしてやる、」


「ははははっ!!…おい、そこの鉄パイプ炙れ。ヤキだらけにして丸焦げや」



恐怖はない。

痛みもなくて、もうそれすら通り越して感覚すら忘れてる状態だった。

それなのに両目から止めどないほどの涙が流れて仕方なくて。


これは皐月にも蘭にも、そして睦月にも謝れなかったことに対する後悔なんだろう。



「…あん…ざい、」


「なんや?」


「睦月を…、ころした方法で……、おれを、ころせ、」


「今さら怖じ気づいたか?熱いのは嫌やもんなァ?」



ちがう、そんなくだらない理由じゃない。
嫌とか怖いとかはもう無いんだよ。

そうじゃなくて、ただ……、



「…せめて睦月と、おなじ…苦しみを……、味わってやりたいんだ、」



< 258 / 282 >

この作品をシェア

pagetop