義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 あれから、両親に週末だけはレジデンスにお泊まりする許可をもらい、聖さんとふたりきりの時間を作っている。そのときは恋人同士の甘いひとときを堪能しているのだが、やはり皆の家ではそうもいかない。

 しかし隠れてキスをしたり、もっと際どい戯れをしたりと、聖さんはそういう背徳感も楽しんでいるらしい。私はそわそわしてしまって落ち着かない……と思っていたのに、今では若干クセになりつつあるので恐ろしい。

 という身も蓋もない話も結局暴露させられたところで、満足したらしい小夏は話を変える。


「アキにも報告した?」
「うん。おめでとうって言ってもらえた。これからはまた女友達としてよろしくって」


 ストーカーの一件以来、アキちゃんのその後も心配だったので連絡は取り合っている。

 室谷さんは自分の非を認めたそうで、もうアキちゃんにはかかわらないと誓約を立て、示談金も支払ったのだそう。彼女は群馬に戻り、今も女性として生活している。また滅多に男性の姿は見られなくなるかもしれない。


「そっか。アキも水篠さんがどれだけ六花のことを想ってるかがわかったから、わりとすんなり諦められたのかもね」
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