義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「普通に不倫されただけでもショックなのに、相手が身内や自分の友人となると余計につらいでしょうね」
「ええ……どうして、人って禁断の恋が好きなんでしょう」
碓氷さんは書類を見下ろしたまま、どことなく暗い声色で呟いた。そして、珍しく業務に関係ないことをぽつぽつと話し出す。
「私の伯父……先生の恩師だとおっしゃっていた御村は、離婚裁判をしていたとき、そのクライアントと恋に落ちて結婚したんです。下手したら夫側から逆に訴えられかねないっていうのに」
鼻で笑う彼女の言葉には、ほんの少し軽蔑が交ざっているように感じた。
御村先生が結婚しているのは知っていたが、そういう関係だったとは。確かに意外だ。
「弁護士と依頼人の恋愛はもちろん違法ではありませんけど、職業倫理上好ましくないですよね。そういう禁断の部類に入るような恋をするのは、私の中では理解できないんです。だから……先生と六花さんの関係も認められなくて」
ああ、だから俺に固執してしまうのかと、難しい顔をする碓氷さんを見て思った。一般的ではないと受け入れられない人がいるのもわかる。