義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 私は気にしていないことを表すように首を横に振って笑い、先ほど母に怒られて若干沈んでいる父に声をかける。


『お父さんが会いに来てくれて嬉しかった。ひと目見て、私だってわかってくれたのも』


 そう伝えると父はうっすら瞳を潤ませ、感極まった声で『ありがとう』と言った。

 もう戸籍上は家族ではないけれど、私たちの関係が修復できてほっとする。新たな一歩を踏み出した私たちを、聖さん親子も穏やかに見守っていた。


 いろいろあった長い一日が終わる頃、聖さんのレジデンスで過ごすことにした私たちは、穏やかな波にたゆたうように身体を重ねて愛を確かめ合った。

 昔の記憶を思い出してからさらに彼が愛しくなって、与えられる快感もいつもとはまた違う幸福感に満ちている。

 もう絶対に離れたくない。これからもお互いに必要とし合って生きていきたいと、指も身体も絡めながら強く願った。


< 254 / 265 >

この作品をシェア

pagetop