別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
もう会うことはないけれど、時々病院のホームページにアクセスして、救命救急科のドクター紹介に載っている彼の写真をこっそり見ている。

凛は陸人さん似だと思う。
ぱっちりした二重の目元も、どこか芯のある性格も。

でも、彼も新しい人生を歩んでいるはずだ。

内科のドクター紹介には、笑みを浮かべる吉野さんの写真が載っている。

もしかしたら彼女と結婚したのかもしれないと思うと胸が痛むが、陸人さんのもとを去ると決めたのは私なのだ。
もう忘れなければ。


「祐(ゆう)くんに読んであげたの。凛ちゃんすごーいって」


凛は興奮気味に話す。

絵本好きな彼女にいつも読み聞かせをしているので、周りの子よりひらがなを読む力はついている。

ただ、絵本一冊をすらすらと読めるわけではなく、こぐまさんのはちみつケーキは読みすぎてストーリーを記憶しているのだ。


「よかったわね。祐くんと仲良しね」
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