別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「うん! 凛、祐くん大好き」


凛を保育園に預けたばかりの頃は寂しくて、そして一緒にいられないのが申し訳なくて泣きそうになった。

でも、凛にも友達がたくさんできてすっかり笑顔だ。


「ママ、大丈夫?」
「なにが?」
「お手々冷たいの」


私の手をしっかり握る凛は、空風(からかぜ)にさらされて冷えた私の手を心配している。

こういう優しいところも陸人さんそっくりだ。


「大丈夫よ。ありがとね」


頭を撫でると、凛は少し照れくさそうにはにかんだ。



家に帰ったあと、バタバタと夕食の準備を始める。

現在私は、スーパーやコンビニなどに弁当を卸している会社の工場で働いている。

といっても調理担当ではなく、できた総菜を容器に詰める部門の一員だ。


昼食には工場で作った弁当が支給される。
おいしいけれどやはり重さんの味には敵わない。

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