別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
いつかきっと、陸人さんの一生を私が台無しにしたと後悔する。

事件の責任が彼にあるのならまだしも、そうではないのだし。


「そう、ですか」


視線を合わせているのがいたたまれなくなり、うつむいて答えた。



外来が終わり、混雑していた会計を済ませたあと玄関から出ると、ダウンコートを羽織った陸人さんが現れた。


「先生だ!」


そのまま通り過ぎようとしたのに、凛が声をあげる。


「私、今日はこれで帰れるのですが、少しお時間取れませんか?」


いきなりの提案に心臓がドクッと大きな音を立てる。


「いえっ。とんでも――」

「凛ちゃん。お腹空いてない? 先生、朝食べてなくてペコペコなんだけど、一緒にご飯食べに行かない? ちょっと早いかな?」


断ろうとしたのに、彼は強引に凛に話しかける。


「行く。凛、コロッケがいい。ママのコロッケは甘くておいしいの!」


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