別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
肉じゃがコロッケのことだ。


「そっか。それ、先生も大好きなんだよ。お母さんのコロッケと同じものを作ってるお店を知ってるんだけど、今日もあるかなぁ」


食彩亭の話?

この病院からなら遠くはないが、重さんたちになにも話していないのに、顔を出したりできない。


「凛。先生はお忙しい――」
「食べる!」


断ろうとしたのに、凛は満面の笑みで誘いに乗ってしまった。


「うん。それじゃあ買いに行こう。本宮さん、俺が買ってくるから心配しないで。いつか一緒に行けるといいけど。行こう、凛ちゃん」


いろいろ察したらしい陸人さんが凛に手を出すと、凛はそれをためらいなく握っている。


「先生、でも……」


私が声をかけると、陸人さんは優しく微笑む。


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