別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「ふーん」
ふたりは仲良く会話をしたあと、自然と手をつなぎ中へと入っていった。
本当の親子みたい。
うしろ姿を見ながらふとそんなふうに思ったけれど、血がつながっているのだからこれが自然なのだろう。
私は、凛から幸せを奪っているのだろうか。
「ママ、早くー!」
エレベーターに乗り込んだ凛がハイテンションで急かすので、慌てて駆け寄った。
四年ぶりの陸人さんの部屋に、緊張を隠せない。
大きなテレビに座り心地のいい白いソファ。
当時のままのそれらに懐かしさを感じていたが、ローボードに置いてある本だけが変わっている。
あの頃は医学書が並んでいたが、絵本らしきものが見えた。
「せんせ、すごっ。雪」
窓から見える景色に興奮している凛は、言いたいことがありすぎるらしく文章になっていてない。
遠くに見える山にうっすらと雪が積もっているのだ。