別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
凛は自分のためのチャイルドシートだと知り、うれしさを隠しきれない様子でぴょんぴょん跳ねている。

妙にかしこまった顔で座った彼女を満足そうに見つめる陸人さんは、「ベルトするぞ」とシートベルトもしてくれた。


「すごーい。ママ、凛のイス!」
「よかったね」


チャイルドシートを嫌がる子もいると聞くが、凛は大はしゃぎしている。

特別扱いしてもらえるのがきっとうれしいんだ。


「さぁて、出発」


凛のはしゃぎっぷりに目尻を下げる陸人さんは、運転席に乗り込み発進させた。

懐かしいタワーマンションの地下駐車場で車を降りると、凛は落ち着きをなくしてキョロキョロし始める。

こんな大きなマンションに入ったことがないからだ。


「先生のおうち、おっきー!」
「全部が先生のおうちじゃないよ。この中のひとつのお部屋」


陸人さんはおかしそうに肩を震わせて笑っている。
子供の発想は奇想天外だ。
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