別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「怖かったの? 大丈夫。先生のおうちだよ」


膝をついて話しかけると、くまのぬいぐるみを抱いた陸人さんもやってきた。


「凛ちゃん、おはよ。くまさんだよ」
「くまさん!」


凛の機嫌はすぐに直り、陸人さんからくまを受け取っている。


「凛、そろそろ帰ろうか」
「やだ! まだ遊ぶ。絵本読むの!」


駄々をこねる凛に困ってしまう。


「凛ちゃん、楽しかったならまたおいで」


私の隣にしゃがんだ陸人さんが語りかけると、凛の目が輝いた。


「いいの?」
「いいよ。先生の仕事がお休みの日をお母さんに教えておくから、いつでもおいで。お母さんに鍵を渡しておくね」
「いえっ」


陸人さんはにこやかに言うが、さすがにそこまではできない。


「患者を放っては帰れないから、予定が狂うときもあるんだ。勝手に入って絵本読んでくれていいから。もっとたくさんそろえておくよ」
「ほんと?」
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