別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「お待たせしてごめんなさい。鶏肉を切らしてしまって……代わりに、坊ちゃんの好きなエビの天ぷらと、肉団子、あとこれは肉じゃがコロッケです。これで許してやっていただけないでしょうか?」
重さんはもう一度謝罪してくれる。
「いえいえ。こちらのほうがゴージャスで喜ぶかも。また買いに来ます」
女性客が快くその弁当を受け取ってくれたのでホッとした。
「ごめんなさい」
私の失態で店の信頼を損ねてしまった。
「いいんだよ。誰だって間違えるんだから」
重さんはあっさり許してくれるが、反省しなければ。
「間違えたの、心春ちゃんじゃなくて私だったかもしれないし、気にしない。許してもらえたんだし」
手が足りなくて接客を手伝ってくれた恵子さんも言う。
でも、あのお客さんに見覚えがあるのだ。
おそらく私のミスだ。
「もっと気をつけます」
「大丈夫、大丈夫」