別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「ありがとうございます、助かります。今日は仕事だったんですけど、朝、晴れてたから傘を持ってこなくて。でも無性にここの弁当が食べたくなって寄ったんです。あんまり残ってないか……」


今日はたくさん出てしまったので数個残っているのみだ。


「すみません」
「いえいえ。残っていただけでもありがたい。しかもだし巻きがある」


目を輝かせて笑みを浮かべる彼に救われる。
ミスをしてしまった今日は、ずっと気持ちが上がらなかったからだ。


「夕方追加で作ったものですので、まだ新しいですよ。よろしければ」
「うん、いただきます」


だし巻きたまご弁当を袋に入れて会計を始めると、彼が口を開いた。


「体調悪いですか?」
「えっ? いえっ」


どうしてわかったのだろう。
傷は痛むものの、普通にしていたつもりなのに。


< 26 / 335 >

この作品をシェア

pagetop