別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「これ、余ってしまったものなんですけど、よかったら。肉じゃがコロッケなんですよ。心春ちゃんが残った肉じゃがを見て、コロッケにしたらおいしそうって言うから作ったら、人気商品になりましてね」

「これ大好きです。おいくらですか?」


律儀に代金を払おうとする天沢さんは、本当にいい人だ。


「残り物で申し訳ないくらいですから。捨てるのは嫌いなのでもらっていただけると」

「それでは遠慮なくいただきます。今日の疲れが吹き飛びました。ラッキーだな、俺」


前向きな天沢さんを見習わなくては。

重さんが厨房に戻っていったあと、だし巻きたまご弁当の袋にコロッケも入れて天沢さんに手渡した。


「あっ、傘ないんですよね」


私は再び休憩室に戻り、バッグから折り畳みの傘を持ってきて彼に差し出す。


「よかったら使ってください。お返しいただくのは、今度お越しになったときでいいので」

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