別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「心春さん。失礼なことをしてすまなかった。どうか陸人をお願いします」


陸人さんの返事を聞いたお父さまは、私に深々と頭を下げる。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


結婚を認められたこの瞬間は、一生忘れられないだろう。

たちまち視界がにじんできて、声がかすれてしまった。


「凛ちゃん、こぐまさんのはちみつケーキ、好きなのね?」


お母さまが湿った空気を払拭するように明るい声で凛に尋ねる。


「だーい好き。知ってるの?」

「もちろん。陸人も心春ちゃんも大好きだったの。もう少し大きくなったら、おばあちゃんと一緒に作ろうか?」

「おばあちゃん?」


結婚という言葉を口にしていても、よくわかっていないようだ。
凛はきょとんとしている。


「先生とママが結婚したら、そうなるんだけど……。おばあちゃんになってもいい?」
「うん、いいよ」


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