別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「心春ちゃん。あなたはいつも陸人の心の支えだったのに、陸人が傷つくのを恐れてそれを忘れてしまっていたわ。ごめんなさい」

「いえっ。頭を上げてください」


お母さまに深々と頭を下げられて慌てた。

謝罪してほしいわけではないし、親として息子を守らなければと考えたのも理解できる。

私も凛の親になり、なによりも自分の子が最優先だという気持ちに共感できるからだ。

ただ、私たちの本気を知ってもらいたいだけ。


「ねぇ、あなた。もういいでしょう? 結婚を認めなければ陸人は不幸になるわ。それに、かわいい凛ちゃんにも嫌われちゃう」


お母さまが凛に優しい目を向けてくれるのがうれしかった。


「陸人、お前は本当にそれでいいのか? この先の人生は長いんだぞ」

「もちろん。心春を失ったら後悔します」


陸人さんが迷うことなく返事をするので、胸に喜びが広がった。

彼となら、幸せな未来をきっとつかめる。


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