別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる

変なことって。天沢さんがそんな人ではないのはわかっているし、それが心配で断ったわけじゃない。


「でも……ご迷惑ですし」

「迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないですけど?乗っていっていただけるとありがたいです。そうじゃないと、なんのために待っていたんだか……。ちょっと間抜けな男になりますから」


その言い方がおかしくて笑みがこぼれる。


「それでは、お言葉に甘えてもいいでしょうか」
「もちろん。こっちです」


なぜだか彼のほうがうれしそうな顔を見せる。
それに安心したけれど、私が貸した傘をかざされて戸惑った。


「天沢さんが濡れてしまいますから」

「あれっ? 俺、名前言いましたっけ?」

「あ……。前に同僚の方と来られたときにそう呼ばれていらっしゃったので。野上(のがみ)総合にお勤めなんですよね」


野上総合というのは大きな総合病院だ。

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