別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
恵子さんのつぶやきに不機嫌になる重さんは、ちょっぴり妬いているようだ。

ケンカもするけれど、重さんは恵子さんをとても大切にしているし、恵子さんも料理人としての重さんを自慢に思っているはずだ。

私たちも、互いに支え合える夫婦になれればいいな。



食彩亭の仕事を終えて、保育園に一直線。

春から一学年上がった凛は、小さい子の面倒をよく見ているのだそう。


「ママ!」


満面の笑みを浮かべて出てきた凛は、将来の旦那さま候補の祐くんとしっかり手をつないでいる。


「凛、お待たせ。祐くん、こんにちは」
「こんにちは。凛ちゃんバイバイ」


ハキハキ挨拶できる祐くんは、なかなか素敵な男の子だ。

凛は今でも額に治療用のテープを貼っているが、誰かにからかわれるたびに助けてくれるのだという。


「天沢さん、遠足のお手紙入れておきましたのでご覧ください」
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