別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「まさかじゃない。堀田に『じろじろ見すぎ。気持ち悪がられるぞ』っていつも笑われてた」

「えっ! 堀田さん、陸人さんの気持ちご存じだったんですか?」

「ここにアイツを連れてきたら一発でバレた。そのくらい、心春のこと見てたんだな、俺。やっぱ気持ち悪いな」


自虐的な発言がおかしくて、笑みがこぼれる。


「まあ、今となっては笑い話だけどね。奥さん」


陸人さんに〝奥さん〟と言われて、妙に照れくさくなった。

〝笑い話〟で済ませられるほどここまで順調だったわけではないけれど、こうして大好きな彼と一緒にいられることに感謝しながら、歩いていこうと思っている。

重さんからおにぎりを受け取った陸人さんは、「心春をお願いします」と丁寧に頭を下げてから慌ただしく出ていった。


「いい旦那だねぇ。私が惚れそうだわ」
「お前は黙ってろ」


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