別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
デートだなんて。


「そんな……」
「だって俺たち、凛の眼中にないぞ」
「それもそうですね」


まだこんなに小さいのに、心を許せる友達がいるのは素晴らしいことだ。

凛と祐くんの縁が私たちと同じようにずっと続くといいな。



水族館に着くと、園児たちははしゃいで一斉に駆け出していく。

凛もそのうちのひとりで、陸人さんが慌てて追いかけて止めた。


「凛。ほかの人の迷惑になるから走ってはいけません」
「はーい」


陸人さんが注意していると、どこからか子供の泣き声が聞こえてくる。


「祐、大丈夫?」


どうやら祐くんが転んでしまったようだ。

慌ててお母さんが抱き起こし、先生も焦った様子で駆け寄った。

顔をゆがめてわんわん泣きだした祐くんは、膝をすりむいている。

それに気づいた凛は、陸人さんの手を引っ張って祐くんのもとに行った。


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