別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
陸人さんが小指を出すと、凛と祐くんがそれぞれ絡める。


「指切りげんあん、嘘ついたら針千本飲ーます」


どうやら間違えて覚えている凛は、声高らかに歌い、祐くんと手をつないだ。



平日の今日はほかのお客さんは少なく、大きな水槽の前には園児たちが並ぶ。

皆、魚が悠々と泳ぐ姿に目を輝かせている。

私と陸人さんはうしろでその様子を眺めていた。

本当にデートをするつもりなのか、陸人さんはさりげなく手をつないでくる。


「恥ずかしいです」
「見てないって」


たしかに、誰もこちらを見てはいないけれど。


「心春。俺が休みの日に食彩亭も休めない?」

「休めると思いますけど、どうして?」

「ふたりきりでデートしたい。凛がいる時間はもちろん楽しいけど、心春とふたりの時間も大切にしたい。凛にはいつか祐くんみたいなナイトが現れて俺たちのもとを旅立っていく。でも、心春とは一生一緒だ」


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