別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「ピザには合わないけど、肉じゃが作ってきた」
「やったね。心春、食彩亭で働き始めてから腕が上がったよね」
「うん。一流料理人に教えてもらってるんだもん」


今は売り子だけれど、いつか調理も経験したいな。
といっても、重さんの味を壊すわけにはいかないけれど。


「肉じゃが、夕飯にしていい?」
「もちろん」


彼女は冷蔵庫にそれを入れたあと、大きなピザをテーブルに広げた。


「たまに食べたくなるのよね」
「そうそう、私も」


絵麻の意見に同意してうなずく。

重さんの料理がおいしすぎて外食もほとんどしなくなったが、たまにはこういうものもいい。


「座って」


六人掛けのガラス製のダイニングテーブルは、旦那さまがチョイスしたものらしい。
そしておしゃれな白いイスは絵麻が選んだのだとか。

夫婦の共同作業にあこがれる。


「旦那さんとうまくいってる?」
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