別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「心春の気持ちはよくわかるよ。でも、ここで踏み出さなくて後悔しない? もしかしたら、その傷も受け止めてくれるかもしれないでしょ?もし振られちゃったら慰めてあげるから」


私が無意識に肩に触れたのを、絵麻は見逃さなかったようだ。

振られるだけならいい。
いや、よくないけど……嫌悪の感情をぶつけられたらつらい。


「怖い?」
「……怖いかも」


彼女は私が受けてきた裏切りやひどい言葉の数々を知っているのだ。


「そうだよね。……まずはもう少し距離を縮めるってのはどう? それでこの人になら話しても大丈夫だと思えたら、打ち明ければいい。誰だって、大切な人には隠しておきたいことがあるものだよ。でも、付き合ってみたら気にすることなかったと思えるかもしれないでしょ」

「付き合うなんて、そんな」


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