別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
彼の告白がうれしいのに、〝はい〟という二文字が口から出てこない。
絵麻は距離を縮めて、この人なら大丈夫と思ったら傷の存在を明かせばいいと話していた。
けれども、結婚を意識するほど真剣に考えてくれているのに、そんな曖昧な態度でいいのだろうか。
でも、まだこの醜い傷痕を告白する勇気がない。
「……私、男性とお付き合いしたことがなくて」
「それじゃあ俺をひとり目の……いや、最初で最後の男にしてくれないか。必ず心春さんを幸せにする」
不意に手を握られて、心臓がドクンと大きな音を立てる。
「あの……」
どうしたらいい?
彼の告白に舞い上がっているのに、その一方で傷を知られたときの反応を考えると怖くてたまらない。
彼がこの傷を拒否するとは限らないけれど、今まで出会ってきた人たちのほとんどから嫌悪の眼差しを注がれてきた私は、どうしても腰が引けるのだ。