追放されたハズレ聖女はチートな魔導具職人でした2
パパラチアが口にしたふたりの聖女は、それぞれ水と火に属する加護を受けている。現在この地方を襲っている異変――水源の枯渇と気温の上昇に対処するとすれば、水か火の加護を持つ者を送ってくるはずだ。
「いえ、どちらでもありません」
「そ、そうですか。いえ、そうですね、風の加護を持つ方であっても……」
「違います」
風の加護を持つ聖女は、一時的に天候を操ることができるとされる。根本的な解決は難しくとも、今苦しんでいる人々を助けることはできるだろう。
そんなパパラチアの考えを否定するように、神官は頭を振った。そして、使者の携えてきた聖女の名前を口にする。
「今、こちらに向かっているのは『石』の聖女、ココ様です」
「石……の聖女様?」
パパラチアは予想外の名に驚き、思わず神殿の外に目を向けた。
そこに広がっているのは、荒涼とした大地。
大小様々な“石”に満たされた、灼熱の地だった。
◇ ◇ ◇
ずん……ずん……と地面が揺れている。
鳥が木々から飛び立ち、動物たちは音と振動の発生源を怖々と覗き見ている。
その発生源は、街道を進む巨大な人型だった。
「いい天気だねぇ」
「きゅきゅっ!」
「いえ、どちらでもありません」
「そ、そうですか。いえ、そうですね、風の加護を持つ方であっても……」
「違います」
風の加護を持つ聖女は、一時的に天候を操ることができるとされる。根本的な解決は難しくとも、今苦しんでいる人々を助けることはできるだろう。
そんなパパラチアの考えを否定するように、神官は頭を振った。そして、使者の携えてきた聖女の名前を口にする。
「今、こちらに向かっているのは『石』の聖女、ココ様です」
「石……の聖女様?」
パパラチアは予想外の名に驚き、思わず神殿の外に目を向けた。
そこに広がっているのは、荒涼とした大地。
大小様々な“石”に満たされた、灼熱の地だった。
◇ ◇ ◇
ずん……ずん……と地面が揺れている。
鳥が木々から飛び立ち、動物たちは音と振動の発生源を怖々と覗き見ている。
その発生源は、街道を進む巨大な人型だった。
「いい天気だねぇ」
「きゅきゅっ!」