嘘と、恋。
観覧車のゴンドラに乗り込み、
康生さんと向かい合うように座る。


「私、観覧車に乗るの初めてなんです」


「え、本当に?」


先程のジェットコースターの時とは違い、
それに康生さんは驚いていた。


観覧車が半分くらい上ると、真下には大きく広がる海が見えた。


「うわあ、綺麗」


もう日暮れて、海は暗いけども。


遠くに船や、岸に何かの建物のネオンが見えて、とても綺麗。


「なんなら、後でもう一回観覧車乗る?」


喜ぶ私を見て、そう提案してくれるけど。


「ううん。もう充分です」


「そっか。
遊園地楽しかったね。
明日もどっか違う遊園地行こうか?
ほら?今日からあの店の店長の本田も復帰してくれたから。
暫くは、俺、時間作れるから」


明日かぁ…。


明日は…。


「―――明日は、もういいです。
明日自体、もう来なくていい」


「え?」


そうやって戸惑っている康生さんの横に、私は移動して座った。


「横いいですか?って、もう座ったけど」


「うん。いいよ」


康生さんの横顔を見ると、やっぱり笑っていて。


「康生さんって、なんでも私のお願い聞いてくれますよね?」


「うん。だって、俺、いい人だから」


なら、最後に私のとんでもないお願いも、聞いてくれるだろうか?


< 41 / 57 >

この作品をシェア

pagetop