離婚しましたが、新しい恋が始まりました


翌日、いつも通りの慌しい仕事を終えた紬希が帰ろうとしたら有梨から連絡が入った。
一人欠員が出たから、どうしても合コンに来てほしいというのだ。

『ご飯食べるだけのつもりでいいから、来て!』

そう言われたら断り切れないし、夕食の支度をしなくていいならそれに越した事は無い。

『飲んで食べるだけ。愛想は無いよ』

紬希は指定されてたスペイン料理店へ足を向けた。

日比谷にある店は印象的な赤を基調とした内装で、ラグジュアリーな雰囲気で女性に人気があった。
店に着いた紬希が個室に案内されると、もう男女が席に着いていた。男性が五名、女性が四名だ。

テーブルには美味しそうな料理も並んでいる。
イベリコ豚の生ハム、アヒージョ、女性向なのかサングリアのピッチャーもある。

「こんばんは」
「あ、紬希!待ってたわ」

有梨は気合の入ったメイクとファッションだ。いつになく甘い雰囲気のワンピースを着ていて、女っぽさを前面に押し出している。


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