離婚しましたが、新しい恋が始まりました
「俺がわからないのか?」
突然、彼から意味のわからない質問をされた。
「は?」
そう言われてから、まじまじと光宗の顔を見るが紬希には心当たりが無い。
「前に、お会いしましたでしょうか?」
失礼があってはと彼からますます距離を取りながら丁寧に尋ねてみたが、光宗は返事をしない。
「あの……」
「まあいい。これからはしょっちゅう顔を合わせるだろうからな」
「はい?」
「気をつけて帰れよ」
そう言うと、光宗は大股で歩いてその場を去って行った。紬希の手には、150円が残ったままだ。
「あ、渡せなかったわ。コーヒー代」
背の高い光宗の後姿を探したが見当たらない。追いかけるほどでもないかと、紬希も家路についた。