離婚しましたが、新しい恋が始まりました
翌日の月曜日。磐が三島総合病院で働く日だ。また紬希に会えるかもしれないと期待していたが、広い病院内で受け持っている診療科が違うのだから偶然でもなければ会うことは不可能だ。
仕事中は真面目な彼も、診察が終わる頃には何とかして彼女と会えないものかと考えていた。
「先生、まだよろしいですか?」
「何かあった?」
「透析患者さんが自宅で倒れて、救急車でここに運ばれてきました」
「すぐに行きます」
待ち合いにはもう誰もいなかったので、磐はERへ急いだ。
「こちらです」
若い看護師にベッドを教えてもらうと、そこには紬希がいた。
「うちで透析を受けておられる患者様です」
「ああ」
「年齢は75歳、男性で人工透析を始めてから8年……」
紬希の説明はよどみなかった。