離婚しましたが、新しい恋が始まりました


「いないよ。私には仕事があるから、今は必要ないわ」
「有沢家の娘なのに、これからもずっと働くの?」
「お金のことは別。一生懸命働くっていい気持ちよ」
「ふうん」

結衣の前にティーカップを置いてやると、美味しそうに飲んでいた。

「お義姉さん、お茶入れるの上手だよね」
「そう?ありがと……それで、今日は何の話?」

中々切り出さない結衣に、紬希から話題をふった。

「あのね、3月のお父さんを偲ぶ会で、私何人かとお見合いって言うか、顔合わせしたの」
「そう……」
「それでね、お母さんは弁護士さんを勧めるんだけど、私はその人はイヤなのよ」
「誰かいい人いたの?」

コクリと頷きながら、珍しく結衣が少しはにかんだ表情を見せた。

「この人と結婚出来たらいいな~って思った人がいて」
「どなた?」

「お姉さんの病院のドクター、光宗先生」


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