離婚しましたが、新しい恋が始まりました
「無理に迫っちゃダメだぞ」
「お前こそ、彼女の事を好きなんじゃあ……」
沢村と話してから気になっていたことを、磐は直接口に出して聞いてみた。
「いい友人だと思ってる。彼女のストレスが和らぐといいな~と思うくらいには大切な友人だ」
「そうか」
桂木はそういう男だ。傷ついている人を放っておけないのだ。
「絶対、彼女に無理強いはするなよ」
「俺、どれだけ信用が無いんだ?」
「だって、お前こそ女性が苦手なんじゃないかとか、遊び相手に不自由してないとかってとんでもない噂ばかりだぞ」
「まさか!」
それは、今までこの人だと思える女性に出会っていなかっただけだ。
初めて気になった女性は、他の男と結婚式を挙げていたのだ。
「それに、家の方は大丈夫なのか?結婚しろって煩いだろう」
「ああ、でも基本的には俺の意思に任せてくれてるから。30過ぎた息子に何言っても無駄だって思っているさ」
「お互い、苦労するよな」
高校時代からの仲間はまだ独身だ。沢村が既婚者一番乗りになるだろうが、彼がそうなったら残りのメンバーは親から煩く言われるだろう。
「俺は時間がかかるかもしれないが、彼女にアプローチしてみるよ」
「応援しているよ、光宗」