離婚しましたが、新しい恋が始まりました


「え~と、道案内頼む」
「はい、大通りに出て、二つ目の信号を……」

紬希の心臓は急にドキドキと音をたて始めたようだ。運転席の光宗このに動悸が聞こえそうな気がして紬希はそっと胸元に手を置いた。

「緊張してる?」
「え?」

「俺も、今日は緊張していた」
「あの……」

「沢村から、君が有沢家の夕食に招待したいと言ってるって聞いて……」
「はい」

光宗は何が言いたいのだろうかと紬希は考え込んだ。

「まさか、妹の方が待ち構えていると思わなかったよ」
「はい?」

どうやら伝言を頼んだ地点で、何か行き違いがあったようだと気付いて紬希は焦った。

「す、すみません。先生に中々お会いできないので、有梨から沢村先生に伝えてもらうように頼んでしまって」

「いや、俺も確認しなかったから」

こんな間違いはこれで二度目だと、磐は自分で自分が可笑しくなった。
初めて有沢家に行った時も、紬希が結婚相手を探していると勘違いしていたし、今回も紬希が招待してくれたと早とちりしてしまった。まったく俺とした事が紬希が関わっていると聞くと、舞い上がって冷静さを無くしてしまうらしい。


「今日は、それじゃあ……」

「きちんと、お断りしてきたよ」

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