離婚しましたが、新しい恋が始まりました
「私の中で、何かが壊れちゃったんです」
「それは、どういう事だろう?」
「自分が価値の無いものに思えて……貴洋さんからすれば邪魔者だったんだと思うと辛かった」
何て声をかけていいかわからない程の重い言葉だった。
「仕事以外、生きる支えが見つからないし……」
一生懸命働けば、仕事は答えをくれた。だが、今考えるとそれだけだった。
「私は女としては、落第なの?妻にする価値がない?そんな事ばかり考えていました」
自嘲気味に話す紬希がたまらなく哀しくて、愛しかった。
「有沢、それは……違う」
「先生……」
磐の頭の中で、桂木の『無理強いはするな』という声が聞こえたが、もう我慢できなかった。
彼は思いっきり紬希をその胸に抱き寄せた。
「あっ」