お館様の番選び
明叔父さんは出産後の繭さんの診察をしている。

少ししてから明叔父さんは慌てたようにわたしたちを呼んだ。

「おいっ。繭さんが何か言ってるぞっ。」

繭さんは幸せそうに赤ちゃんの頭を撫でながら、何か小声で言っている。

よく耳を凝らさないと聞き取れないぐらいの声だ。

「あな…い…ね。……は……みた……か……ね……。」

ん?何…?

「……た。かわ…ね。……るくん……いにか……ね……。」

あなた。…みて。…はるくんみたいにかわいいね。……かわいい。…かわいい。…はるくん。

わたしは叫びそうになり咄嗟に口を両手で押さえた。
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