お館様の番選び
朧はというと明叔父さんと新しい薬品の開発に取り組んでいてらしくそこはわたしは力になれないので、次期お館様として自覚をもちはじめた朧を頼もしく思う反面、寂しくも感じていた。

朧が18歳を迎えるにあたり、成人の御披露目と共に蜜月の儀式を執り行わなければならない時期に来ていて、明叔父さんも加わり準備をしているが、なぜか明叔父さんは朧の番選びに関してはさぼっているような気がする……明叔父さんは認めないけど…

最近、わたしはふと蜜月の儀式が終わった後の自分の将来について考えることがある。

お館様の番選びである蜜月の儀式は獣人族すべての総力が注がれるため数年のうちに朧も番を得て次代のお館様である赤ちゃんを授かることになるだろう。

その時の自分の姿がまったく想像できないのだ……。

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