お館様の番選び
「お館様から聞いたの?」

「いや、隣に住んでるんだし、皆この家で働いているんだから、なんとなく話を耳にして…煌も今度帰ってくるんだって?」

煌はわたしと一緒に生まれた兄弟だ

わたしと同じで最近まで、番を見つけることが出来ずにいたのに、ある日、デビューしたばかりのアイドルグループの一人に釘付けになったかと思ったら、テレビを抱きしめ「俺の番だー!」と泣いて喜んでいた。

次の日には早速、族長である父親に報告し、この町を期限付きで出る許可を得て、監視役の同族とともに東京に向かったのは数ヶ月前のことだ。

その時は「捕まるなよー。」と皆で笑って送り出したが、本当に番だったらしく、この町に二人で戻ってくることになった。

もちろんお相手の番さんは人間で、わたしたちの事情もすべて受け入れてくれているという。
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