お館様の番選び
あの日はわたしの18歳の誕生日で家族で成人のお祝いをした。

ちょうどその日は満月ということもあり、早めのお開きとなり、自分の部屋に戻って、部屋に鍵を掛け、ベッドの足と自分の足を紐で縛り、電気を消した…。

そこまでは覚えている。

「うー。痛ったあぁぁぁ。…うわっ!何っ?これ…。」

朝、尋常ではない身体の痛みに飛び起きると、ベッドの上で蹲ってしまった。

ゆっくり目を開けると、身体中に傷や痣があり、血が止まってはいるが、大きな瘡蓋になっているところもあった。

巻かれた包帯の数も多い。体もだるく、頭痛もひどい。

ここは自分の部屋であることにひとまず安心したが、一体自分の身に何が起こったのかさっぱり思い出せない。

満月の夜はいつもそうなのだが、こんな状態になるのはまだ幼かった頃以来だった。
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