お館様の番選び
「残念だったね。まあ番選びなんてそんなもんだしね。気長にやるしかないんだ。」

朔様に慰められるが、わたしは釈然としなかった。

朧があんまりにも雑に番選びを済ませるからだ。

奉納物にちらっと目をやって「…ここにはいない。」だとー。

もっとよく選びやがれ。ぷんすかっ

ものの数分で神社での番選びを済ませたわたしたちに番様が声を掛けてくれた。

「よかったら、この町の水族館に行ってみない?そこで私の弟が働いているから。二人のことは話しおくわね。」

「水族館かー。…いい…ね。……(デート)…みたいだ…。」

朧が口もとを押さえてゴニョゴニョ何か呟いている。

「いえっ。わたしちたちは……。」
と断ろうとしたが、

「私達、その水族館で出会ったのよ。」

「ふふ。ふらっと立ち寄った先で偶数、番を見つけることもあるからね……。」

その時のことを思い出したのか朔様と番様の雰囲気が次第に甘ーくなっていくのに耐えられず、

「わたしたちも行ってみます。」

とそそくさとお屋敷を後にしたのだった。
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