お館様の番選び
「朔様の番様もシャチの獣人なんだね。」

「うん。本来なら僕たちの町は兄さんが次期当主となるはずだったんだけど……。僕たちの町には海がないからね。」

「あー…だから朔様が番様の住む町に移り住んだんだね。」

「それから2年ぐらいかな…僕が生れた時は、兄さん…とても喜んでたらしいよ。心配してたんじゃないかな。兄さんにとっては自分の生まれた町だしね。」

「そんな二人の間に生まれのが豹型獣人って…お館様の一族ってバラエティーに飛んるよね。あはっ」

帰りの車の中でわたしと朧はとりとめもなく話していた。

「凪さんと番さん。お子さんは二人で決めてつくらないって言ってたねー。」

「あー。いろいろ難しいんだろうな。」

「……」

二人の話になるととたんに口が重くなる。

とても幸せそうだった。二人は納得して今の形を選んだんだろう。

二人はこれから先一生お薬を飲み続けると言ってた。番が分からなくなる薬(発情を抑える薬)をだ。

最後に笑って送り出してくれた二人の姿が蘇る。シャチの番さんの下の歯がキラッと光ってそこに凪さんの金色のネックレスが見えた時は本当に番同士なんだなぁと泣きそうになった。
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