お館様の番選び
わたしはまだ出会えてない自分の番に思いをはせた。

「はあっ。」

朧は何も言わず窓の外を眺めていたが、わたしのため息を聞いて、そっと手を握ってくれた。

朧の力のおかげかだんだんと温かい気持ちになっていく。朧…ありがとう…。

「朧…。わたし……。」

「うん。」

「朧の番様がどんなに毛むくじゃらでも絶対見つけてみせるからっ……。」

「!!!?」

朧はその琥珀色の目を丸くすると繋いでた手をぽいっと乱暴に放った。

なんでよぅ……。

拗ねた朧はそれから一言も口を開くことなく朔様のお屋敷に戻った。
< 81 / 138 >

この作品をシェア

pagetop