お館様の番選び
「あの人、繭さんっていうんだね。繭さんって人間…だよね。」

「ああ。」

「どんな事情で、彼女、このお屋敷で出産することになったの?」

「それに彼女…正気じゃないよね?」

「どういうこと?」

「……それは俺の口からは……」

わたしの矢継ぎ早の質問に明叔父さんがタジタジになっているところへ朧が入ってきた。

ガタッ。

「本当だったんだ……。」

そう言いながら部屋に入ってきた朧の顔は今までにみたことがないくらい青ざめていて足取りも覚束無いようだった。

「朧っ?大丈夫っ?」

わたしは焦って朧に駆け寄った。

「…ああ。僕は大丈夫だ。明さん。あかり。話がある。ちょっといいかな…。」

「ああ。」
「もちろん。」

朧から聞いた話はとんでもない話だった。

< 96 / 138 >

この作品をシェア

pagetop