きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「悠斗!」

「悪い、待たせた。着替えた後に先輩につかまって遅くなった」

「ううん」

悠斗が来てくれたのなら、もうこの男のことはどうでも良い。

言い合いを続けて、悠斗と一緒にいる時間が減るなんて馬鹿馬鹿しいことはしたくない。

私は笑みを浮かべ、少し離れたところで立っている彼の元へ駆け寄る。

「……話の途中だったか?」

悠斗はちらりと、宮本くんへ視線を投げかけた。

「ううん、久しぶりに佐々木くんと会ったから、ちょっと話していただけだよ」

「そっか」

私の言葉に合わせるように、佐々木くんは悠斗に「久しぶり~」と手を振った。

「宇山、元気だった?」

「おう。佐々木は?」

「うん、元気だよ〜」

佐々木くんと軽く挨拶をかわすと、悠斗は「じゃあ、帰るか」と私を見る。

「うん、帰ろう」

私は振り返って“佐々木くんに”手を振ると、悠斗と並んで校門を出た。

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