きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
私の答えに、宮本くんは、腑に落ちない様子だった。

「……そんなん、誰に対しても優しいかもしれへんやん。別に高橋だけとは限らんやん」

「それはそうだね」

あっさりと彼の考えを肯定する。

だって、私だってそう思うから。

「なんで？」

宮本くんはむすっとしたような、不満そうな、なんとも形容し難い表情をする。

「前、佐々木から聞いた。お前モテるんやろ」

「モテる？　私が？」

「うん。中学校の時結構モテてたって、佐々木が言ってた」

「佐々木くんが？　それ、多分誰かと間違えているよ。私、全然モテていなかったもん」

「お前の知らんところでモテてたらしいで」

宮本くんはピシャリと言い放つと、何かを射るように、真っ直ぐ私を見た。


「モテるのに、なんでわざわざ叶わへん恋、するん？　宇山はお前のこと、”そういう目”で見てないやん」


宮本くんが発した言葉が、ぐさりと胸に突き刺さる。

“叶わない恋”、か。

そうだよね。

宮本くんが言う通り、悠斗にとって私はただの幼馴染でー…そんなこと一番私がわかっている。

それなのに、人から言われると、なぜだかとても辛い。

本当のことだから、言い返せないことも悲しい。

けれど、それでも、確かなことは。

「叶わない恋でも、いいんだ」

眉間にしわを寄せる彼に、私は微笑む。


「例え叶わない恋だとしても、悠斗に傍にいて欲しい気持ちは変わらないから」


ハッキリと告げた私から、宮本くんは少し気まずそうに、視線を逸らした。
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