きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
”モテるのに、なんでわざわざ叶わへん恋、するん? 宇山はお前のこと、そういう目で見てないやん”

なんであんな意地悪なこと言ってしまったんやろう。

――別に、あんな顔させたくて、尋ねたんじゃないのに。

そもそも、叶わへん恋かどうかなんて、わからへんのに。

それに、あいつが必死に”幼馴染”として振る舞っているのと同じように、宇山だってあいつへの気持ちを隠して”幼馴染”をしているだけかもしれへんのに。


“叶わない恋でも、いいんだ”

高橋だって、怒ればよかったのに。

あんなへたくそな笑顔を浮かべるぐらいなら、前みたいに俺を睨んで言い返してくればよかったのに。

こんなん、俺があいつを虐めてるみたいやん。

「ああ、もう、ほんまに」

胸のモヤモヤをぶつけるように、その場で力を込めてドリブルをする。

いつもは綺麗に手元に帰ってきてくれるボールも、今日はそっぽを向いて、俺から離れて行ってしまった。


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