きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
一昨年の私の誕生日当日、悠斗の部活がたまたま無かった。一緒に帰っている途中、冗談で「誕生日だから、駅前のケーキ屋さんでケーキ買ってよ」と言ったのだ。
そもそも本当に冗談で、買ってほしいとは思っていなかった。今までお互いの誕生日は「おめでとう」と言って、駄菓子屋さんでお菓子を買ってあげるぐらいだったけれど、毎年それで十分嬉しかったから。
でも、悠斗は「わかった」と頷いた。
「あそこのチョコレートケーキなら俺も食えるし、一緒に食うか」と。
甘いものがあまり好きではない悠斗が一緒に食べてくれたことが無性に嬉しかったことを今でも覚えている。
そして去年も、何も頼まなかったのに、チョコレートケーキを二つ買って、お祝いをしにきてくれたのだった。
だからきっと今年も、この紙袋の中は、チョコレートケーキだろう。
「ありがとう。嬉しい」
「今食べるか?」
「うん……あ、紅茶淹れてくるね」
昔のことを思い出して、ふと涙が滲みそうになる。逃げるように部屋を出て、台所に行き紅茶を淹れて部屋に戻る。
すると机の上には、ケーキと一緒に、ピンク色のラッピング袋が置かれていた。
そもそも本当に冗談で、買ってほしいとは思っていなかった。今までお互いの誕生日は「おめでとう」と言って、駄菓子屋さんでお菓子を買ってあげるぐらいだったけれど、毎年それで十分嬉しかったから。
でも、悠斗は「わかった」と頷いた。
「あそこのチョコレートケーキなら俺も食えるし、一緒に食うか」と。
甘いものがあまり好きではない悠斗が一緒に食べてくれたことが無性に嬉しかったことを今でも覚えている。
そして去年も、何も頼まなかったのに、チョコレートケーキを二つ買って、お祝いをしにきてくれたのだった。
だからきっと今年も、この紙袋の中は、チョコレートケーキだろう。
「ありがとう。嬉しい」
「今食べるか?」
「うん……あ、紅茶淹れてくるね」
昔のことを思い出して、ふと涙が滲みそうになる。逃げるように部屋を出て、台所に行き紅茶を淹れて部屋に戻る。
すると机の上には、ケーキと一緒に、ピンク色のラッピング袋が置かれていた。