きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「うーん、特に何もしてないよ? 地元の友達と会ったり、お姉ちゃんと買い物に行ったり……」

そう。それなりに出かけてはいるし毎日充実しているけれど、本当になにも“夏休みらしい”ことをしていないのだ。

「……宇山くんとは? 会ってる?」

「ううん……会ってない。悠斗、毎日朝から晩まで部活があってかなり忙しいみたいだし。それに……彼女もいるから」

「そっか……」

鈴ちゃんは私より悲しそうな顔をしていて、申し訳なくなった。

「ごめんね、応援してくれていたのに……」

「いや! 私は全然! というか、本当に今でも信じられないよ、宇山くんが誰かと付き合うとは。一学期は席が近くなったからたまに話していたけれど、真凛以外の女の子と関わっているとは全く知らなかった」

「だよねえ」

私だってそうだ。いまだに信じられない。悠斗に彼女がいるなんて。

どうしてだろう。彼女と一緒にいるところをみたことがないからかな。

「じゃあ、宮本くんとは?」

「宮本くん!?」

突然出された名前に、私はむせる。

鈴ちゃんは「動揺しすぎだよ」と笑った。

「ほら、誕生日の後に一緒に出かけてから、学校でもよく喋ってたじゃん。どこか一緒に出掛けたりしたのかなあって」

「……まあ、カフェにならいったよ」

正直に話すと、鈴ちゃんは口をぽかんと開けてから、「本当に!?」と目を大きく見開いた。

「どうして教えてくれなかったの!」

「えー、だって相手は宮本くんだよ? 何もないもん」

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